ロシア兵捕虜の紹介


 私のお気に入りのシーレ作品の模写です。このシーレ作品は敵の捕虜でありながら,人間としての尊厳を感じさせます。(私の人形がそう感じさせるかどうかは別です。) 
 シーレは戦争中,兵士を数多く描いています。これらの人物画により,シーレが心の底から敵味方の区別なく,同じ人間として見ていた事に気づかされます。
 同時代の画家達が手柄を立てたり,負傷戦死していく中,シーレは戦争に高揚感を覚えることは全くありませんでした。絵を描くために前線から遠ざかるよう八方手を尽くし,一貫して戦争を嫌っていました。
 戦争中に淡々と描かれた風景,室内の素描には特別なものを感じます。人間の内面を描き出した初期作品とは明らかに違い,そのリアルな描写は不思議な透明感を漂わせています。
 
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