再びトゥルンへ


 
☆ エゴン・シーレ博物館

 
 旅行最終日はウィーン。前回,トゥルンまで行きながら,冬期の休みに入っていたため, 観ることのできなかったエゴン・シーレ博物館に行きました。
一度行っているので,気楽でしたが,4時までに,ウィーンに帰らなければ,ややこしいことになるので(この日が日本へ帰る日でしたから), 電車が間違いないか,何人もの人に聞きました。 各駅停車なら,乗り換えがなかったのですが,時間がかかるので,準急でトゥルンまで行き,乗り換えてトゥルンシュタットまで行きました。
 乗り換えの待ち時間に知り合った親切なおばさま(と呼ぶのが相応しい買い物カゴをかかえた女性)が,なんと,わざわざ, トゥルンシュタットで降りて,シーレ博物館まで案内してくれました。話をしている中で,「私は今日,日本へ帰る。」と言ったので, 「間に合わなかったら,たいへん!」と思ってくれたのでしょう。 電車は1時間に一本だったと思うので, 彼女も自宅に帰るのに大変だったと思います。 この会話は,すべてドイツ語でした。NHKラジオドイツ語講座は聴いていますが,ただ聴いているだけなので,上達はしていません。 この程度のドイツ語で会話が成り立ったのは,相手の人が一生懸命,私を理解しようとしてくださったからです。
 本当にありがとうございました。


○ トゥルンシュタット駅の自転車置き場とポスター
 アルベルティーナ素描美術館で開催中であったモネからピカソ展のポスターもありました。 なんだか,とてもおしゃれな自転車置き場ですね。 

○ 商店街からエゴン・シーレ博物館へ
  行く小径にある案内板

 トイレの表示もあります。ウィーンは本当にトイレの数が多い街です。地下鉄の駅には必ずあり,困ったことがありません。 ほとんどが無料です。
 トゥルンシュタット駅(無人駅)にトイレはありませんが,シーレ博物館近くに清潔で無料のトイレがありました。

 ○ エゴン・シーレ博物館
    (Egon Schiele Museum)

 エゴン・シーレ博物館の入り口付近の全景です。
 手前の広場にシーレ像があり,門にはシーレのサインがデザインされています。
 窓に鉄格子が入ったままで,刑務所の雰囲気を残した建物です。


○ 庭から建物を撮影
 この博物館は,刑務所を改修して,作られたと聞いています。シーレの博物館にふさわしいですね。 ホームページ更新が遅れたため(言い訳をすれば,作品作りが忙しいので・・), 記憶があやしくなっていますが,がんばって思い出してみますね。
 展示室は,一階と二階に4部屋ずつあります。4部屋は中でつながっていて,通り抜けることができますが, 一部屋ごとの扉も刑務所の時のものが,残されています。
 一階には,シーレの記載がある戸籍簿,マリー(シーレの母親)による育児手帳,シーレの小学校時代の集合写真, シーレの父親のデスマスクなどもありました。 当時のトゥルンの様子も偲ばれ,ここの博物館ならではの展示でした。  一階の最後の部屋には,ノイレングバッハでシーレが捕らわれていた独房の様子が再現されていました。 シーレの独房でのスケッチも複製ですが,展示されていました。
 部屋を出ると,2階に上がる階段室があり,シーレの彫塑の自画像が展示してあり,ビデオコーナーになっています。

 2階の最初の部屋は,シーレの子供時代の絵が展示されていました。10歳頃の汽車の絵(なんと自動車も描かれています。 もう,この時代に自動車は,一般的だったのでしょうか),15-6歳頃の,油絵,デッサン,グラフィックアートのような作品, 細密な鳥の水彩画,メロン(がぼちゃ?)の絵など, 私は初めて見るものも多く,うれしく思いました。
 2番目の部屋は18歳頃描かれたクロスターノイブルグの風景など,印象派風の作品が展示されていました。 母親のマリーの肖像画も2点ありました。 
 3番目の部屋は,セゼッションのポスター,銅版画など,4番目の部屋は素描です。女の人を描いたものがほとんどですが, 愛犬ロードの素描もありました。 廊下にも,資料が展示してありました。

 受付のひとは,とても気さくな女の人だったので,ここでもまた,私の人形写真を渡しました。 「オー,ファンタスティッシュ!」と,とても喜んでくれました。
(本一冊と腕時計(シーレの絵入り)を買う。)

○ エゴンシーレ博物館の前にある
  水上ステージ(ドナウ川)と
  観客席の間で遊ぶ白鳥たち
 ここの観客席に座って,白鳥を見ながら,朝ホテルで仕込んだおむすびを一人寂しく食べました。
 ここにいる間,私以外にシーレ博物館への入館者はありませんでした。さみしーい。

 ○ トゥルーンシュタット駅舎と
   プラットホーム
 朝いちで博物館に着いたので,予定通りお昼にはウィーンへ向けて出発することができました。


 帰りに,前回銅版画を戴いたレコード店に寄りました。 お礼にと思い,ちょっとしたお菓子(吉備団子とおかき)を持参して行きましたが,店主は居らず,息子さんがいました。 (午後には帰ってくると言っていましたが・・・)私の人形写真とお菓子を渡すと,また,銅版画を戴いてしまいました。 いったいなんのために行ったのやら・・ でも,感激です。

 トゥルンシュタット駅で帰りの電車を待っていると,アルバニア出身と言うおじいさんが話しかけてきました。 郊外にくると,日本人は珍しいのか,みなさんから親切にして頂きました。

                     2008.1.20 


 次回は「ウィーンの10月」と題した報告です。お楽しみに。


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