◎ アートイベント  Art Events
    第十回 犬島時間

 第十回犬島時間,ゴールデンウィーク後半は,毎日今までの最高入場者数を更新して,出展アーティスト, ボランティアの人たち共々,最高の気分で無事終了することが出来ました。 あまりの多くのお客さまのため,不行き届きもあったかと思いますがお許しください。
 ほんとうにありがとうございました。

○ 会場風景
 郵便局側から撮影

○ 会場風景
 シーレが描いた6つの水差しもこのような土間に置かれていたと想像します。 ・・  2日目から,土間にある大瓶の上にEgon-chanを吊るす。

 今回の犬島時間のために作った少女の人形のこと
 展示を見にきてくださった友人が,「この少女は,私の小さい頃そのままだわ。 こんな目をして遠くを見つめ,身を固くしていた・・・」と語ってくれた。 彼女は,少女時代,ちょっと複雑な家庭環境の中に育ったとおっしゃっていました。
 シーレの原画に真正面から描かれている少女は, 初めて出会った大人のしかもちょっと風変わりなシーレにとまどいの表情を見せ,固まっているようにも見えます。

 私はこの原画から人形を作ろうと思ったとき,ある写真のことを思い出していました。 ベッドの上で頭に包帯を巻かれ,ぬいぐるみを抱いた少女の写真。 ライフ誌1940年9月23日号の表紙に載ったイギリスの写真家セシル・ビートン撮影の「アイリーン・デューン」です。 解説によると,ドイツ空軍の空襲でりゅう散弾を受けて負傷し,病院に収容されたイギリスの幼い戦争犠牲者だそうです。 この作品について,彼は “深刻な顔つきで身動きもせず,前方を凝視しているこの奇妙な少女を見た時, 生涯でもっともすぐれた写真が撮れそうな気がした。この子は動くかなと思った。だが,奇跡的だった。 彼女はじっと動かず,ショックを受けたときのまま目をあけ放っていた。 そのとき私の心に焼ついた悲しみを忘れることができない”と言っています。
  参考文献(ライフ写真講座 子どもの世界 タイムライフインターナショナル 1972)

 シーレの原画の少女は,もう少し無邪気かもしれません。 でも,私はセシル・ビートン撮影のこの写真の少女を思いながら作りました。 ここまで過酷な体験がないとしても,子どもというものは, 大人以上に理不尽なことも黙って受け入れなければならない存在なのかもしれません。 私のこの少女の人形を見てくださった方たちも,そのように感じて頂いたように思います。

○ 会場風景
 元々あった古時計と少女がよく似合う 。

 島のおばちゃんたち(おじちゃんも!)も「こりゃぁ,かわいいなぁ。 ガイジンさんのこどもじゃなぁ。」とたいへん喜んでくださって,私もほんとうにうれしく思います。 ありがとうございました!

2013.2.9

と き  :2013年4月27日(土)~5月5日(日)
      11:00~16:30
ところ  :岡山市犬島内各所にて
      私の展示場所は旧郵便局舎です。
鑑賞料  :500円(12歳以下は保護者同伴で無料)

<出品作家>
 ・青地大輔 ・井内清志&アトリエSORA ・井本真紀
 ・小野耕石 ・片山康之 ・小林泰子 ・高嶋幸市
 ・高本敦基 ・千葉尚実 ・福井一尊 ・細見博子
 ・宮崎郁子 ・村上トモミ ・役重佳廣 ・吉川誠司
犬島ガラス
 ・白神典大 ・中野由紀子 ・平井睦美
パフォーマンス
 ・赤田晃一 ・三尾奈緒子 ・リベルバーバ

 シーレの描く子供たちを作り,展示する予定です。 かつて,賑わっていた頃の島の子供達を思い浮かべながら・・・
2013.2.9


 今回のメインとなる人形が出来上がりました。
 小さな女の子の人形なら,犬島の人たちが喜んでくれるのではないかと思い,作りました。2,3歳児の等身大です。
 郵便局舎内で,まだ生活のなごりのする土間の部分に展示しようと思っています。あと,何を合わせるかちょっと迷っています。
 自分で作った感覚がないほど,順調に出来上がった人形ですが,自分自身とても気に入っています。かわいい!

チェックの服を着た女の子
Baby Girl in Checkerd Dress

2013.4.12


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